【連載4回目】城東スポーツ整形クリニックpresents【ORAHOのアスリート飯】
【連載第4回】食からはじまる、栄養と体づくり ORAHOのアスリート飯
いつも熱いご声援ありがとうございます。
秋田ノーザンハピネッツでは、未来を担う育ちざかりの10代アスリートに向けて(もちろん成人の方々も!)おすすめのメニューを紹介する連載「ORAHOのアスリート飯」を開始します!
連載にあたり城東スポーツ整形クリニック様にご協力いただき、季節や旬に応じた食材の栄養価なども紹介。また、紹介するメニューは、秋田ノーザンハピネッツのこども食堂”みんなのテーブル”にも登場予定です。
学生アスリートはもちろん、ご飯を作られる保護者のみなさんもぜひ、御覧ください。
第1回目 キーマカレーはこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16353
第2回目 鶏のクリーム煮はこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16409
第3回目 ロールキャベツはこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16503
監修・記事:長嶋智子(JSPO公認スポーツ栄養士)
レシピ紹介:秋田ノーザンハピネッツのこども食堂”みんなのテーブル”管理栄養士 菊地景子
第4回 イワシの蒲焼き
イワシの蒲焼き
かば焼きといえば「うなぎのかば焼き」が有名ですが、うなぎ以外の魚にも応用できる調理法です。青魚の鰯(いわし)、秋刀魚(さんま)、鯵(あじ)などがおすすめです。小麦粉(片栗粉)をまぶして香ばしく焼き、甘辛いたれをからめるかば焼きは大人にはもちろん、こどもにも食べやすい料理です。学校給食でもこどもたちに喜ばれ、残食が少ないメニューの一つです。
おすすめポイント
「鰯(いわし)」は身離れがよく、包丁を使わずに手開きで下処理ができる扱いやすい魚です。また、価格がお手頃で一年を通じて手に入りやすい食材です。鮮度が落ちやすいという欠点があるため、できるだけ新鮮なものを購入し、早めに調理して食べることがポイントです。鰯には健康効果やアスリートのパフォーマンスアップにつながる栄養素DHA・EPAが多く含まれています。鰯を調理する時にグリルなどで脂を落としてしまうと、DHA・EPAは減ってしまいますが、かば焼きのようにフライパンで焼いたり、煮込んだりする調理法なら良質な脂質をしっかり摂ることができます。
イワシの蒲焼きの栄養
鰯は良質のたんぱく質や脂質が多く、鉄分やビタミンDも豊富です。骨ごと食べられるとカルシウムの補給源にもなります。
【脂肪酸】鰯などの青魚にはDHA・EPAが豊富に含まれています。DHA・EPAは体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」の一種です。鮮度がよく、脂がのった旬の時期の鰯にはより多くのDHA・EPAが含まれています。DHAは人間の脳や神経組織に多く存在し、これらの組織が発達するときに欠かせない栄養素だと考えられています。DHA摂取による記憶力や学習機能の向上、視力低下の予防、認知機能低下や認知症の予防など複数の効果が報告されています。EPAは中性脂肪を下げる、動脈硬化を予防するなど血管・血液の健康維持効果があり、閉塞性動脈硬化の治療薬としても利用され、予防として食事からの積極的な摂取も勧められています。また、EPAの摂取が赤血球の柔軟性につながり、酸素および栄養素の運搬能力を上昇させること、溶血(赤血球の破壊)を防ぐことにより、アスリートの持久的能力の向上、疲労軽減効果に期待されています。さらに、EPAは炎症やアレルギーを軽減すること、関節の炎症を抑える、筋肉痛を緩和させる、傷の治りを早くするなど、アスリートにとって嬉しい効果も複数報告されています。
【ビタミンD】ビタミンDは血液中のカルシウムやリンの吸収を高める働きがあり、骨の健康に欠かせない栄養素です。ビタミンDは紫外線により皮膚で合成されますが、その量は不十分なため、食物から摂ることが大切です。ビタミンDが欠乏すると、血中のカルシウム濃度が下がり、骨が弱くなります。骨を強くするためにはカルシウムだけでなく、ビタミンDを摂ることも大変重要です。近年、筋肉の衰えを防ぐという面でも重要な役割を果たしていることがわかり、サルコペニアやフレイルの予防でも注目されているビタミンです。また、ビタミンDには免疫機能を調節するという働きがあります。体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進させるとされています。アスリートは日常から長時間の激しい運動、トレーニングなどの繰り返しで身体をかなり酷使しています。適度な運動であれば免疫力は高まりますが、アスリートの多くが免疫力を低下させているため、ビタミンDはアスリートもしっかり摂りたい栄養素です。
ビタミンDを含む食品は限られていて、穀類、豆、いも、野菜にはほとんど含まれていません。主な供給源は魚、卵、きのこです。魚では鮭、鰯、秋刀魚、うなぎ、かれい、しらすなどに多く含まれます。貝類、えび、かに、いか、たこにはほとんど含まれていません。きのこは乾燥きくらげや干椎茸、舞茸に多く含まれます。肉からも摂取できますが、含まれている量は魚に比べると多くありません。そのため、魚を食べる頻度が少なくなるとビタミンDの摂取量が不足する傾向があります。ビタミンDは脂溶性のビタミンです。脂ののった旬の魚を選んだり、油と一緒に調理すると効率よく摂取できます。魚はアスリートのコンディショニングのために、積極的に摂りたい食材です。
参考文献.
日本食品標準成分表2021.女子栄養大学出版部
ヒューマン・ニュートリション.医歯薬出版株式会社
日本人の食事摂取基準2020年版.第一出版
脂質栄養学.菅野道廣.幸書房
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版
からだにおいしい魚の便利帳.高橋書店
イワシの蒲焼き ※2人分
<材料>(2人分)
◯イワシ4尾
〇小麦粉適宜
◯サラダ油大さじ1~2
〇たれ【醤油大さじ3・みりん大さじ2・酒大さじ1・砂糖大さじ1】
〇好みで粉山椒
※ご飯・・100g~250g(食べる方に合わせる)
1.イワシを手開きにする・・うろこをとり、頭を落とし腹を斜めに切り落として、はらわたをだし、流水で中までよく洗う。腹を手前にして、両手親指を揃えておき、中骨の上を しごくように左右に開く。
2.開いたイワシは、器に合わせて大きければ二つに切る。鰯の水気をキッチンペーパーで拭き取り、小麦粉をまぶし、余分な小麦粉をはたき、薄くまぶす。
3.フライパンにサラダ油を熱し、中火で身の方から焼く。よい焼き色がついたら返し、皮目の方も焼き、いったん皿に取り出す。
4.フライパンをキッチンペーパーできれいにふき取り(又はきれいに洗う)、たれの調味料を入れ、1/2量になるくらいまで煮詰める。
5.イワシをもどし入れ、フライパンをゆすりながらたれをからめていく。
6.身の方を上にしてご飯にのせる。フライパンに残ったたれは魚の上にかけるとよい。
※好みで粉山椒を添える。
ポイント1:スーパーで開いた鰯を購入する。もしくは開きにしてもらうとより手軽です。
ポイント2:栄養価が高く、時短できる料理です。
ポイント3:合わせ調味料は3:2:1:1の割合で作っておくと照り焼きのたれとして他の料理にも使えて便利です。
開いたイワシは、キッチンペーパーで丁寧に水分をふき取ると生臭さが抜けます!
○秋田ノーザンハピネッツのこども食堂”みんなのテーブル”でも2022年3月19日(土)登場予定です!
詳しくはHP(TwitterとInstagramのウォールがあります)をチェックしてください。
第1回目 キーマカレーはこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16353
第2回目 鶏のクリーム煮はこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16409
第3回目 ロールキャベツはこちら
https://northern-happinets.com/news/detail/id=16503
城東スポーツ整形クリニック https://joto-sports.com/